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2025年3月25日
佐藤先生: こんにちは。院長の佐藤です。今日は医療脱毛のリスクと副作用について、特に「硬毛化」についてお話ししましょう。
患者さん: 佐藤先生、医療脱毛を考えているのですが、副作用やリスクが心配で迷っています。
佐藤先生: 医療脱毛は、一般的に安全性が高く、確かな効果が期待できる治療法とされています。ただし、すべての医療行為と同様にリスクや副作用の可能性はゼロではありません。一般的に起こりうる症状には主に「施術直後の肌の赤み・ヒリヒリ感」「毛嚢炎」「やけど」があります。それぞれ順番にご説明しますね。
患者さん: まず、施術直後の肌の赤み・ヒリヒリ感について教えてください。
佐藤先生: レーザー脱毛直後は、レーザーのエネルギーによって肌が火照ったようになり、赤みやヒリヒリ感が生じることがあります。レーザーは毛根に対して熱エネルギーを与える仕組みですので、ある程度の刺激が伴うのは通常の経過です。多くの場合は当日から数日間程度で症状が軽減・消失しますが、症状が長引く場合は早めにご相談ください。
患者さん: その症状を和らげる方法はありますか?
佐藤先生: 施術中は専用のリキッドなどで肌を保護することで、施術後の赤みやヒリヒリ感を緩和できます。以前は熱破壊式レーザーの場合、施術後に強めのステロイド剤を塗布することもありましたが、最近の蓄熱式レーザーでは、リキッドのみで十分対応できるケースが増えています。もし痛みや症状が強く出た際は、無理せずご相談くださいね。
患者さん: 次に毛嚢炎について教えてください。どんな症状ですか?
佐藤先生: 毛嚢炎は、毛穴に生じるニキビのような炎症です。レーザー脱毛により毛根に刺激が加わり、一時的にニキビのような赤い発疹が出る場合があります。かゆみを伴うこともありますが、多くは軽症で特別な治療をせずとも1週間ほどで落ち着きます。ただし、赤みやかゆみが強い場合は、抗生物質や抗炎症作用のあるお薬を処方することもありますので、遠慮なくご相談ください。
患者さん: 毛嚢炎を予防することはできますか?
佐藤先生: 施術後の肌を清潔に保ち、やさしく洗うことが大切です。また、通気性の良い下着や衣類を選び、施術部位が蒸れないようにするのも予防につながります。低刺激の保湿剤を使用し、肌の乾燥を防ぐことも有効です。
患者さん: やけどについては特に心配なのですが、どの程度のリスクがありますか?
佐藤先生: 最新の蓄熱式レーザーでは、従来の熱破壊式と比べると、深刻なやけどが起きるリスクは少ないとされています。しかし、肌質や体調、施術条件によっては、部分的に赤みが強く出たり、小さな水疱が生じるなどの軽度のやけど症状が起こる可能性があります。万が一、症状が出た場合には適切な処置が必要ですので、早めにご相談ください。
患者さん: もし軽度のやけどが起きてしまった場合はどうすればいいですか?
佐藤先生: まずは冷やすなどして、清潔な状態を保ちましょう。軽度のやけど症状なら、冷却だけでも症状が和らぐことがあります。当院では、症状に応じてお薬の処方なども行います。適切な処置を行えば、永久的な跡が残るケースは非常にまれだといわれていますが、色素沈着などが起こる場合もあるため、経過をしっかり観察し、必要に応じて対策を取ることが大切です。
患者さん: やけどのリスクを減らすにはどうすればいいでしょうか?
佐藤先生: 施術前にはカミソリでの剃毛など適切な自己処理を行い、化粧品や制汗剤などの使用は避けるようにしてください。また、施術前後の日焼けはリスクを高める可能性がありますので、紫外線対策をしっかり行うことが重要です。お薬を服用している方や既往症のある方は必ず事前にお伝えください。機械の出力設定などを最適化し、安全に施術を行うためにも正確な情報提供が大切です。
患者さん: それらの症状が続いた場合はどうなりますか?
佐藤先生: 医療機関ですので、症状が続いたり経過に不安がある場合は、診察で様子を確認し、お薬の処方やその他の処置を行います。副作用といっても多くは一時的で、適切なケアや対処をすれば回復に向かうことがほとんどですので、心配なことがあればすぐにご相談ください。
患者さん: ほかに気をつけるべき副作用はありますか?
佐藤先生: はい、稀な副作用として「硬毛化(増毛化)」があります。これは原因がはっきり解明されておらず、有効な確立された対処法がまだないという点が特徴です。本日はこの硬毛化について詳しくお話ししますね。
患者さん: 硬毛化とはどういう症状なのでしょうか?
佐藤先生: 医療脱毛によって、かえってある部位の毛が濃くなったり増えたりする現象です。学会報告や専門文献でも、はっきりとした原因が明らかになっていないため、研究途上のテーマといえます。
患者さん: それはどれくらいの頻度で起こるものなのですか?
佐藤先生: 当院を含むグループクリニックの例では、開院以来1万人以上の全身脱毛症例の中で、明確な硬毛化が確認された症例が9人ほど報告されています。これはあくまで当グループのデータであり、他施設でも同じとは限りませんが、目安としては1000分の1程度の頻度の可能性があると考えています。
患者さん: もし硬毛化が起きてしまったら、どう対処するのですか?
佐藤先生: 現在の美容医療界では、「追加の施術をすぐに行わずに1~2年ほど様子を見る」という対応を取るケースが多いです。実際、そのまま待っていると元の毛質に戻る例も報告されています。一方で、気になる場合は施術方法や出力を調整し、回数を重ねてみる方針を選択する方もいますが、効果に個人差があるため、必ずしも改善が得られるとは限りません。
患者さん: 待つのはつらいですね……。
佐藤先生: そうですね。硬毛化が起こると精神的にも負担を感じる方が多いです。一度出てしまった症状に対して何もしないのはつらいと思われるかもしれません。ですから、施術方法を調整して回数を増やし、経過を見ながら対応していくクリニックもあります。最適な方針は症例や患者さんのご希望によって異なりますので、十分にご相談いただければと思います。
患者さん: 硬毛化はどのような機械で起こりやすいのですか?
佐藤先生: 過去にはアレキサンドライトレーザー(755nm)やエステサロンの光脱毛で起きやすいといわれていた報告もありますが、正確な統計はまだ十分には取られていません。そのため「この機械なら絶対に起こらない」「この機械なら頻度が高い」と断言できるデータは限られています。
患者さん: なぜ硬毛化が起こるのでしょうか?
佐藤先生: 原因は明らかではありませんが、一部では「十分に毛根へダメージが与えられなかった場合、逆に毛根が活性化してしまう可能性がある」という仮説があります。あくまで推測の域を出ない段階の見解で、今後さらに研究が必要な分野です。
患者さん: 佐藤先生のクリニックではどのような機械を使っているのですか?
佐藤先生: 当院では「ハイブリッド型蓄熱式3波長レーザー」を採用しています。755nm、808nm、1064nmの3種の波長を同時に照射できるシステムで、幅広い毛質・肌質に対応できる利点があります。複数波長を同時に使用することで、一部の波長だけでは届きにくい毛根にもアプローチしやすいのですが、これによって硬毛化を完全に防げるというわけではありません。
患者さん: 硬毛化については、まだ研究途上なのですね。
佐藤先生: はい。私たちのクリニックを含め、美容医療界全体としてもまだ十分に研究が進んでいるとはいえません。今後も多くの患者さんの経過を見ながら、さらに研究を重ねてデータを蓄積していく予定です。
患者さん: 今日のお話を聞いて、少し安心しました。硬毛化以外の副作用は一時的なものが多いんですね。
佐藤先生: そうですね。硬毛化以外の副作用は、適切な処置や経過観察によって回復するケースがほとんどです。硬毛化も起こる確率は高くはないと考えられますが、万が一症状が現れた場合には対策を一緒に考えていきましょう。医療脱毛をご検討の際は、リスクや副作用についても十分にご理解いただき、納得した上で進めることが大切です。
患者さん: ありがとうございます。とても詳しく説明していただいて安心しました。
佐藤先生: どういたしまして。不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。
クララ美容皮膚科福岡天神院院長 佐藤翔生