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2025年6月2日
タトゥーを入れた当時は気に入っていても、時間が経つにつれて「消したい」と考える方は少なくありません。従来のレーザー治療では痛みが強く、治療回数も多く必要でした。しかし、近年登場したピコレーザー技術により、タトゥー除去の常識が大きく変わりました。特にフルカラー対応が可能になったことで、これまで除去困難とされていたカラータトゥーも効果的に治療できるようになったのです。
タトゥー除去(ピコレーザー)は、最新のピコ秒レーザー技術を用いてタトゥー(刺青)を除去する治療法です。この治療ではアートメイクも対象に含まれ、従来の治療では困難だったカラータトゥーにも効果的にアプローチできます。
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短いパルス幅でレーザー光を照射する最新の技術です。この超短パルスにより、タトゥーの色素粒子を従来の方法よりもはるかに細かく粉砕することができ、体の自然な代謝機能により効率的に色素が排出されます。
ピコレーザーの最も画期的な特徴は、あらゆる色のタトゥーに対応できることです。
これまでのタトゥー除去では、黒や紺などの濃い色は比較的除去しやすい一方で、赤、黄色、緑、オレンジなどの明るい色や鮮やかな色の除去は非常に困難でした。多くの患者さんが「カラータトゥーは完全に消すことができない」と諦めていたのが現実でした。
しかし、ピコレーザーは532nm、755nm、1064nmといった複数の波長を使い分けることで、ほぼ全ての色に効果的にアプローチできるようになりました。これまで「除去不可能」とされていた黄色や赤色にも対応でき、多色使いのカラフルなタトゥーも満足のいく結果が期待できます。
刺青・アートメイクの色合いや、入っている深さによって治療回数は個人差がありますが、1回では完全除去することはできません。必要な治療回数は除去の進み具合により異なり、一般的な目安は以下の通りです:
治療間隔は通常6〜8週間です。これは破砕された色素を体の免疫システムが処理し、肌が十分に回復するために必要な期間です。なお、どうしても完全に除去できない可能性もあることをご理解ください。
炎症後色素沈着(PIH)
施術部位に炎症後色素沈着(PIH)が生じることがありますが、症状は時間とともに消退していきます。レーザーの刺激により、一時的に患部は敏感になっているため、患部への刺激や直射日光は炎症後色素沈着のリスクが高まります。
症状が出た際には、**ハイドロキノンクリームなどの美白剤も処方可能ですので、ご相談ください。
以下の方は施術をお受けできない場合があります。実際の医師の診察の上で最終的な判断をさせていただきます。
カウンセリングでは、タトゥーの状態を詳しく診察し、個々の患者さんに最適な治療計画をご提案いたします。治療回数の見込み、リスク、アフターケアについて詳しくご説明し、患者さんの疑問や不安にも丁寧にお答えします。
ピコレーザーによるタトゥー除去は、痛みの軽減、治療回数の減少、瘢痕リスクの低下という多くのメリットを持つ最新の治療法です。そして何より、フルカラー対応が可能という点が最大の特徴です。
これまで「カラータトゥーは消せない」「明るい色は諦めるしかない」と言われていた時代は終わりました。ピコレーザーの登場により、あらゆる色のタトゥーに対して効果的な治療が可能になったのです。
クララ美容皮膚科福岡天神院院長 佐藤翔生
経歴
資格・所属学会