施術例のご紹介

【クララ美容皮膚科 那覇院】院長の仲田 力次(なかだ りきじ)です。

 

今回は、「幹細胞培養上清の有効性」について、症例報告をさせていただきます。

 

当院では、「一般社団法人 日本他家幹細胞国際研究会」を通じて、

 

◎骨髄由来幹細胞 培養上清

◎臍帯由来幹細胞 培養上清

 

を入手し、美容医療に用いております。

 

培養上清の有効性を、現時点で得られているエビデンスを検討しつつ、当院にて臨床に用いた症例をご紹介させていただきます。

 

今回の発表の流れは、

 

①骨髄由来幹細胞 培養上清の有効成分の解析について

 

②現状ではエビデンスレベルV(症例報告)にとどまる

 

③当院での症例報告

◎ニキビクレーターに対して骨髄由来幹細胞培養上清+ダーマペン4を用いた1症例

◎目の下のクマに対して骨髄由来幹細胞培養上清を用いた1症例

◎びまん性脱毛症女性に対して臍帯由来幹細胞培養上清を用いた1症例

◎肥厚性瘢痕に対して骨髄由来幹細胞培養上清を用いた1症例

 

④今後の他家幹細胞研究の展望について

 

⑤発表をご覧になる皆様へ私からの質問/皆様のご意見をお待ちしております。

 

となります。

 

①骨髄由来幹細胞 培養上清の有効成分の解析について

一般社団法人 日本他家幹細胞国際研究会を通じて入手する「骨髄由来幹細胞培養上清」については、その解析結果の報告がございます。

 

まず、培養上清のドナーについては、現状ではロシアの健康なヒトの胸骨骨髄より採取したものが主に使用されております。

解析結果についてですが、最も注目されるエクソソーム数が1,360億個/ml とハイスコアであることが確認できております。

エクソソームは免疫細胞の活性を高めますので、ひいては癌に対する免疫療法とのマッチも期待されます。

 

また、サイトカインについても、 BDNF(脳由来神経栄養因子)が11.8pg/ml、HGF(肝細胞増殖因子)も12,200pg/mlと、いずれもハイスコアです。

BDNFは通常の骨髄由来幹細胞培養上清の従来の5~10倍、HGFは一般的な脂肪由来幹細胞培養上清の20~40倍という桁外れな数値と評価されております。

 

また、安全面についても、IGF-1(インスリン様成長因子1)がゼロ(0 ng/ml)であることがポイントです。通常の培養過程で添加されることが多いIGF-1をカットすることで、低血糖のリスクがありません。

 

現在、世界各国の研究チームにて、エクソソーム内のmi RNA/m RNAの構成比率とそれがもたらす結果のプロテオーム解析をすることで、骨髄由来幹細胞培養上清液の作用機序の解析に取り組まれております。

具体的には、

・脳梗塞麻痺への改善効果とその理由

・1,2型糖尿病への改善効果とその理由

・アルツハイマー型認知症への改善効果とその理由

・心筋梗塞への改善効果とその理由

・不妊治療における排卵再開効果とその理由

について、一定の見解が発表できる見通しと伺っております。

 

②現状ではエビデンスレベルV(症例報告)にとどまる

日本他家幹細胞国際研究会にて、国内での幹細胞培養上清の使用については、現状でエビデンスレベルV(症例報告)の状況ですが情報が日々得られております。

 

国内での再生医療の先端研究としては、ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞(製品名:ステミラック注)がありますが、こちらは脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善へ一定の有効性が示されつつあります。

 

また、他家骨髄由来幹細胞移植(製品名:テムセルHS注)がGVHDに対して限定承認を受けております。

 

幹細胞本体を用いた治療についてはこのような現状ですが、培養上清を用いた試みについては、さまざまな医療機関でより増えてきていると存じます。

当院でも幹細胞本体ではなく、培養上清を臨床に用いております。

 

自家・他家骨髄由来幹細胞移植が、今後国内でどのような発展を遂げるかはどうかはまだまだ未知数です。

 

少なくとも現状では、培養上清液を当院でも臨床応用を続けていく次第でございます。

 

③当院での症例報告

クララ美容皮膚科那覇院にて、実際に日々骨髄由来・臍帯由来ともに患者様のご要望に応じて臨床応用しております。

 

培養上清を用いた施術は、ヒト由来であること、プラセンタのような製剤と同様にクロイツフェルト・ヤコブ病など未知のリスクを否定できないものであることを患者様へ充分ご説明し、同意を頂いた上で実施しております。

 

また、本施術を受けることで、日本赤十字社における献血の対象から外れる(平成18年8月23日 薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会における決定)こともお伝えしております。

 

以下、当院でのモニター患者様の症例をご紹介致します。

 

◎ニキビクレーターに対して骨髄由来幹細胞培養上清+ダーマペン4を用いた1症例

20代男性のニキビクレーターに対して、骨髄由来幹細胞培養上清を用いた事例です。

 

ニキビクレーターの改善を期待する美容医療の選択肢として、「ダーマペン4」がありますが、今回はそちらと併用しております。

 

あらかじめ表面麻酔(リドカインクリーム10.56%)を施術箇所に20分程度塗布し、洗い流した上で施術を開始します。

 

ダーマペン4の針の設定は、クレーターに対しては最大2.0mmとしました。

通常のダーマペン施術のプロトコルに則って行い、全体にほんのり出血が見られる状態で骨髄由来幹細胞培養上清を1バイアル(2.0ml 蒸留水で溶解)塗布します。

 

当院では、ここでさらにエレクトロポレーション(製品名:スキンコンパス)を用いることで、培養上清の浸透率を上げる工夫をしております。

実際にエレクトロポレーション(電気穿孔法)単体でも、手で塗り込む70倍の浸透力とも言われております。

ダーマペン後の、適度にバリアの崩れたお肌へは、より強く薬液が浸透することが施術者としては観察されます。

 

1回の施術後は、最低でも約1か月程度は間隔を空けて、次回の施術予約を頂きます。

 

今回の症例は2回目の施術より1か月後の状態ですが、視覚的にニキビクレーターの改善結果を得ました。

本人も施術についてご理解があり、3回目以降も施術を繰り返していくとおっしゃっております。

 

◎目の下のクマに対して骨髄由来幹細胞培養上清を用いた1症例

こちらは40代女性の目の下のクマに対して、骨髄由来幹細胞培養上清を用いた症例です。

 

俗に言う、青クマ(血流不足)・茶グマ(色素沈着)・目の下のくぼみ(眼窩縁)が混在している状態です。

 

この方は、眼窩脂肪がせり出している印象は少ないです。通常は、眼窩縁に対してはヒアルロン酸治療なども適応になると考えます。

患者様へ候補となる施術のメリット・デメリットをお伝えした上で、今回は培養上清を選択されました。

 

骨髄由来幹細胞培養上清の粉末を1バイアル(蒸留水で溶解)、34G鋭針を用いて両目の下に投与。局所麻酔や表面麻酔は使用せずに実施。

 

1か月後の状態では、視覚的に色合いやくぼみの改善が見られました。

 

◎びまん性脱毛症女性に対して臍帯由来幹細胞培養上清を用いた1症例

こちらは40代後半女性の薄毛に対して、臍帯由来幹細胞培養上清を使用した症例です。

 

骨髄由来ではなく、臍帯由来幹細胞培養上清を薄毛に用いる理由としては、臍帯と頭皮における成長因子の量などの生育環境がより類似していることが分かりつつある、という見解に基づいております。

その点は今後の詳細な検証が待たれますが、患者様へご説明の上で臍帯由来幹細胞培養上清をお選びいただきました。

 

臍帯由来幹細胞培養上清の粉末を1バイアル(蒸留水で溶解)、34G鋭針を用いて約20回程度頭皮へ刺入。表面麻酔や局所麻酔の使用はせずに施術実施。

 

1ヶ月半後の状態では、視覚的な改善が見られました。

 

この方は2回目以降も施術に通ってくださっておりますが、2回目の施術以降よりヘアエクステンションを増やしたりなどされたため、モニターからは外れました。

視覚的な改善もそうですが、抜け毛があきらかに減ったともおっしゃっております。

 

臍帯由来幹細胞培養上清を用いた薄毛治療については、他の美容クリニックでも事例が増えてきているものと存じます。

 

当院でも、日々症例を重ねていきます。

 

◎肥厚性瘢痕に対して骨髄由来幹細胞培養上清を用いた1症例

こちらは、30代女性がバイク事故によって右膝に挫創を負い、肥厚性瘢痕となった患部へ骨髄由来幹細胞培養上清を用いた症例です。

 

まず前提として、患者様へは保険診療が第一であること、当院では保険診療の扱いはなくすべてが自費診療であり、他の形成外科さんに受診してほしいと強く伝えております。

 

その上で、骨髄由来幹細胞培養上清による治療そのものもエビデンスレベルが低いことを重々説明の上で、今回の施術に至っております。

 

画像の挫創に対して、骨髄由来幹細胞培養上清を0.4バイアル投与しております。

 

2か月後の結果としては、自然治癒なのか、果たして骨髄由来幹細胞培養上清による改善効果が多少なりともあったのかは、全くもって定かではありません。

 

患者様自身は改善されたとご満足されており、もう少し施術を続けたいと要望もありました。

 

少なくとも、症状悪化や、その他有害事象は観察されませんでした。

 

④今後の他家幹細胞研究の展望について

今回は、クララ美容皮膚科那覇院における症例をご報告させていただきました。

 

施術者として培養上清を用いて感じることは、未知なるリスク(クロイツフェルト・ヤコブ病など)は除外できないとしても、短期的な有害事象は観察されず、分子医学的解析による理論的な発展も期待できる本療法は、今後も期待できる取り組みであると考えます。

 

本邦での自家幹細胞移植・他家幹細胞移植についてのさらなる研究と発展が、美容医療界へ、医療界全体への恩恵となり得ることを、いち医師として期待します。

 

⑤発表をご覧になる皆様へ私からの質問/皆様のご意見をお待ちしております。

今回の発表を通して、私から皆様へご質問したいことは、

 

Q1.)先生方の皆様は、培養上清を含めた幹細胞治療を今後ご検討されますか?もしくはすでに導入されている先生方は、どのような難しさを感じますか?

 

Q2.)患者様の皆様は、培養上清を含めた幹細胞治療にどのような効果を期待しますか?そのリスクやベネフィットについてどう考えますか?

 

の2つです。

 

また、今回の発表についてのご意見、ご感想をぜひよろしくお願いいたします。

 

最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。

 

国際幹細胞普及機構×クララ注射(骨髄,臍帯) | クララビューティクリニック那覇院 (clarabeautyclinic.jp)

 

今回の発表についてのお問い合わせ先:clara.okinawa@gmail.com

未成年の方は保護者の同意書が必要になります。
下記リンクから書類をご印刷ご記入しお持ちください。


施術例のご紹介一覧